PDFのカウント図案の印刷と整理 — デジタル図案を快適に使う方法
デジタルのカウント図案で刺していますか? それなら、アイーダに針を刺す前に図案をきちんと印刷して整理しておくと、ずっと快適になります。くしゃくしゃのA4や、どこまで刺したかわからなくなる200目のブロックは、せっかくの刺しゅうの時間を台なしにしてしまうからです。この実用ガイドでは、用紙のサイズや拡大のしかたから、進み具合を記録できる便利なアプリまで、知っておきたいことをステップごとにご紹介します。
はじめにお断りしておくと、Stitchi StudioではPDF図案の単品販売は行っていません。刺しゅうキットには、布や仕分け済みの糸と一緒に、紙のカウント図案が入っています。このガイドは主に、ほかで入手したデジタル図案を使う方や、紙の図案をスキャンしてタブレットで使いたい方に向けたものです。
目次
- 図案を受け取ったら、まず確認
- A4とA3、どちらで印刷する?
- 画質を落とさずに図案を拡大する
- 上手な印のつけ方:進み具合を記録する
- アプリを使ってデジタルで刺す
- 刺している間の図案の整理
- ファイルのバックアップ:図案をなくさないために
- よくある質問
図案を受け取ったら、まず確認
まずはパソコンかタブレットで、PDFを落ち着いて開いてみましょう。確認したいのは次の点です。
- ページ数。カウント図案は1ページだけとは限りません。記号表、完成イメージ、記号の一覧、図案本体などが入っていることがよくあります。
- 記号表。DMCの色番号がすべて載っているか確認し、手もとの糸と頭の中で照らし合わせておきましょう。必要な色がわからないときは、DMCの色見本の使い方をご覧ください。
- 大きさ。図案の大きさ(横×縦の目数)はどのくらいですか? 使いたいアイーダのカウントでセンチに換算しておきましょう。アイーダのカウントの説明が参考になります。
問題がなければ、印刷に進みます。
A4とA3、どちらで印刷する?
基本はできるだけ大きく印刷することです。紙の上のマスが大きいほど、どこまで刺したかを見失ったり、マスを飛ばしたりしにくくなります。
- A4は、100×100目くらいまでの小〜中くらいの図案に十分です。初心者向けや小さめのデザインに最適です。
- A3は、120×120目以上の図案で活躍します。コンビニのマルチコピー機や職場のプリンターで印刷できます。思ったより手ごろです。
- 家にA4のプリンターしかない場合は、複数のA4に分けて印刷しましょう。Adobe ReaderでPDFを開き、印刷時に「ポスター」または「タイル」を選ぶと、図案が自動で複数の用紙に分割され、並べて使えます。
画質を落とさずに図案を拡大する
PDFはベクター形式なので、どれだけ拡大してもぼやけません。上手な拡大のしかたは次のとおりです。
- PDFをAdobe Acrobat Reader(無料)か、Macならプレビューで開きます。
- ファイル → プリントを選びます。
- 「ページサイズ処理」でカスタム倍率を選び、たとえば125%や150%に設定します。
- 「両面に印刷」のチェックを外します(1ページずつ並べられるように)。
- まず1ページ試し刷りをして、目に負担なく読めるか確かめます。
やってはいけないこと:画面のスクリーンショットを撮って印刷すること。スクリーンショットはピクセル形式なので、拡大すると粗くなります。必ず元のPDFから印刷しましょう。
上手な印のつけ方:進み具合を記録する
「心地よく刺せる」か「あれ、どこまでだっけ?」になるかは、進み具合の記録のしかたで大きく変わります。定番の方法を2つご紹介します。
紙で記録する
- 蛍光ペン。刺し終えたマスを、薄い黄色やピンクの蛍光ペンで塗りつぶします。大きく1本線を引くのではなく、下の図案が見えるようにマスごとに塗りましょう。
- 鉛筆。あとで見返したい方には、ペンより柔らかい鉛筆(HBや2B)がおすすめです。消しゴムがあれば修正もできます。
- 定規。今刺している列の下に定規を置くと、目が正しい列に集中しやすくなります。
紙で記録するときのコツ
図案を2部印刷する方もいます。1部は塗ったり印をつけたりする用、もう1部はきれいなまま参照する用です。大げさに思えるかもしれませんが、途中で「このマスを刺し忘れたかも」と迷ったとき、きれいな1部があると本当に助かります。
アプリを使ってデジタルで刺す
紙を使わずに刺したい方には、便利なアプリがあります。
- Pattern Keeper(Android・iOS、有料):デジタルのカウント図案の定番アプリです。PDFを読み込み、マスをタップすると自動でチェックされます。拡大や色の切り替えができ、進み具合も自動で保存されます。
- GoodNotes / Notability(iOS、有料):紙に蛍光ペンで印をつけるように、Apple PencilでPDFに書き込みたい方にぴったりです。
- マークアップ(iOS、標準搭載・無料)やAdobe Acrobat Reader(Android・iOS、無料):スタイラスでマスに色をつけられる、シンプルなPDFリーダーです。
コツ:タブレットをスタンドに立てて、刺しゅう枠の横に置きましょう。両手を作業に使え、図案がいつも目の高さにあります。
刺している間の図案の整理
ちょっとした習慣で、ずいぶん違います。
- 用紙に番号をふる。図案を複数のA4に分けたときにとくに便利です。
- やめたところに丸をつける。念のため。1週間前の記憶は、思っている以上にあてになりません。
- 1回に1色を進める。10×10目のブロックで、まず1色のクロスをすべて刺す方が多いです。糸をひんぱんに替えずにすみます。
- 印をつけた図案はクリアファイルやバインダーに保管する。平らなまま、なくさずにすみます。
マスをまちがえても大丈夫。クロスステッチのまちがいの直し方をご覧ください。
ファイルのバックアップ:図案をなくさないために
デジタルの図案はうっかり消してしまうこともあれば、タブレットが故障することもあります。一度きちんと設定しておけば、あとで慌てずにすみます。
- PDFをクラウドのフォルダに保存します。Google Drive、Dropbox、iCloud、OneDriveなど。
- 作品ごとにフォルダを作ります(例:「カウント図案 – 蝶 – 2026年6月」)。PDFのほか、参考写真や、買った糸のメモも一緒に入れておきましょう。
- キットに入っていた紙の図案で刺す場合は、一度スキャンして同じフォルダに保存しておきます。元の図案が傷んでも、いつでも予備があります。
- とくに長い作品なら、紙のバックアップも1部印刷して、ファイルに平らにはさんで保管しましょう。
図案を手に、始めましょう
これで、デジタルのカウント図案を上手に印刷し、拡大し、印をつけ、整理する方法がわかりました。いよいよ針を手に取る番です。
👉 まだ図案がない方は、既製デザインの刺しゅうキットに、布・糸・針と一緒に紙の図案が入っています。日本へは送料無料でお届けします。
👉 自分だけの作品がほしい方は、お気に入りの写真をオーダーメイドの刺しゅうキットにして、カウント(図案別紙)タイプを選べます。
👉 カウント図案をもっと知りたい方は、カウント図案とは? 入門ガイドやカウント図案と図案プリント済みキットの選び方をどうぞ。
よくある質問
PDFのカウント図案は、どのサイズの用紙に印刷すればいいですか?
小〜中くらいの図案(100×100目まで)ならA4で十分です。大きなデザインや、小さなマスを見るのがつらい場合は、A3で印刷するか、複数のA4に分けて印刷しましょう。
図案を粗くせずに拡大するには?
Adobe ReaderでPDFを開き、印刷時に「カスタム倍率」(たとえば125%や150%)を選びます。スクリーンショットは画質が落ちるので使わないでください。PDFはベクター形式なので、拡大してもくっきりしたままです。
進み具合を記録するのにいちばんいいアプリは?
デジタルのカウント図案でいちばん人気なのはPattern Keeperです。マスをタップするとアプリがチェックしてくれます。PDFを開いてデジタルペンで印をつけたいだけなら、GoodNotesやマークアップでも十分です。
印刷せずにタブレットでPDFを使えますか?
はい、問題ありません。タブレットをスタンドに立てて刺しゅう枠の横に置き、拡大や書き込みができるPDFアプリを使いましょう。A3を何枚も使うような大きな図案にとくに便利です。
Stitchi StudioではPDF図案を販売していますか?
いいえ。Stitchi Studioでは、紙の図案が入ったすべてそろった刺しゅうキットを販売しています。PDFの単品ダウンロードは現在取り扱っていません。キットでカウント(図案別紙)タイプを選ぶと、無地の布に番号つきの図案を見ながら刺します。図案プリント済みを選ぶと、デザインがやさしい色ですでに布に印刷されています。
PDFをなくさないためには?
ファイルをクラウドのフォルダ(Google Drive、Dropbox、iCloudなど)に保存し、作品ごとにフォルダを分けましょう。パソコンが故障しても、タブレットを買い替えても、図案はいつでも取り戻せます。



